センスの無い人にはマーケターは務まらない?【マーケティング理論】

マーケティング

今回は、MBA必修講義の一つ、マーケティングについてまとめたいと思います。

留学以前、ビジネスに関する基礎的な知識(会計とか経営戦略とか)を独学で学んでいましたが、マーケティングに関しては「感覚やセンスがモノを言う」分野だというイメージを持っていました。

「○○の商品は~~な若いコたちの中で流行りそう」を感覚で捉えて、商品を開発したりデザインに落とし込んだり、特定の層をターゲットに広告を打つ。そしてそれが当たれば腕利きマーケターに仲間入りできる。そんな印象でした。

「感覚やセンス」に全く自信のない私は、マーケティング苦手の先入観を勝手に抱きながら授業に臨みました。

ところが、授業を受けているうち、マーケティングの世界は私のイメージよりもずっと体系化されており、感覚やセンス頼りといよりも、ロジカルな学問だということに気付きました。

スターバックスの例

誰もが知る世界的コーヒーチェーンであるスターバックスの事業展開を通して、マーケティングの理論を学習しました。

彼らは、1971年にアメリカのシアトルで開業した後、瞬く間に店舗を拡大しました。

スターバックスは、店舗に長居したくなるような内装や通りに面したオープンテラス、フレンドリーな接客等、当時には新しいスタイルでサービスを展開しています。

飲食店であれば回転率を上げて日当たりの売上を伸ばそうとするのが普通なので、敢えてそれを阻害する戦略を取ることは矛盾に見えますが、その戦略の根底にあったのは、有名な “Third Place (家庭でもなく職場でもない第三の空間)” のコンセプトです。

それでは、スターバックスの当時のマーケターは、Third Placeというコンセプトが流行ることを感覚で掴んで、それがたまたまヒットしたから成功を挙げたのでしょうか ?

Third Placeを欲する人々

スターバックスは、当時のほとんどのアメリカ人にとってのコミュニティーは仕事場と家庭の2つだけであったことから、「人々は職場でも家庭でもない、飾らずリラックスできる環境を欲しているのではないか?」という仮説を立てました。

さらに、その顧客像を「裕福で教育水準が高く、ホワイトカラー、25歳から44歳の主に女性」にまで絞り込みました。

顧客ターゲットが決まったら、彼らを満足させるべく商品・サービス・店舗をデザインしていきます。

プレミアムコーヒーを競合よりも高値で提供し、それに相応しくお洒落に店舗デザインし、顧客がまた来たくなるようなホスピタリティの高い接客ができるよう、社員を教育しました。

その結果、「スタバのコーヒーを飲みながら新聞を読んだり、友達とおしゃべりをする」という体験がスタバにしか提供できない価値となり、ダンキンドーナツ(アメリカのドーナツ店)との明確な差別化要素となったわけです。

マーケティングの理論に当てはめると・・・

当時のスターバックスが行った顧客像の絞り込みは、セグメンテーションと呼ばれる考え方で、誰にどんな商品を届けるかというターゲットを明確にするために有効です。

ターゲットが決まったら、そのための手段を揃えます。これは、バリュープロポジションと呼ばれ、スタバの場合は「プレミアムコーヒー」「くつろぎの空間」「顧客満足」を揃えています。これらは、ただ単にコーヒーを買いたいだけの顧客には刺さりませんが、Third Placeを欲する顧客の心はしっかりと掴むことができます。

また、「スタバといえば〇〇だよね」という消費者に対する明確なメッセージにもなり、スタバの顧客ターゲットは、珈琲店の中で迷うことなくスタバを選んでくれます。競合店との差別化(ポジショニングに成功したということです。

まとめ:結局、センスの無い人にマーケターは務まるのか?

今回のスターバックスの例を踏まえた私の解釈は、マーケティングの裏側には明確な理論が存在し、感覚とかセンスとかに頼ることなく良質なマーケティングプランは構築できる(つまり、マーケティングにセンスの有無なんてない!)というものです。

勿論、理論がわかることと実務をこなせることは別の話ですが。唯一、

「 ”裕福で教育水準が高く、ホワイトカラー、25歳から44歳の主に女性”がThird Placeを求めていると気付けるかどうか?” はマーケティングセンス次第なんじゃ無いかな?」

と思いましたが、よくよく調べてみると、顧客ニーズを特定するための様々な分析手法が開発され、実際のビジネスで使われています。

それらを用いれば、感覚に頼ることなく定量的に顧客層を特定できるということです。

現在、それら分析手法を学ぶクラスを履修中のため、別途ブログでまとめたいと思います。

 

※引用:https://ja.wikipedia.org/wiki/スターバックス

Harverd Business Review “STARBUCKS: DELIVERING CUSTOMER SERVICE

コメント

タイトルとURLをコピーしました