どうも。
今回は、MBAを取得するには国内のMBAにすれば良いのか、それとも海外のMBAを取得すれば良いのかについて、現役海外MBA生である私の経験も踏まえてお話ししたいと思います。
私は、現在アメリカの某大学MBAスクールに在籍し、ビジネスを勉強している学生です。
しかし留学前は、とある日経大手企業でサラリーマンをしながら、日本国内最大級のMBAスクール、グロービス経営大学院の単科生として、同じくビジネスについて学んでいたことがあり、グロービスに通っていた当時は、日本国内にてMBAを取得することも真剣に考えました。
そもそも、両者にはメリットもあればデメリットもあり、個人によって取得目的や置かれた環境は全く違うので、「こっちのほうが良い」と絶対的な答えは存在しません。
したがって、かつての私のように、国内か海外かどちらにしようか迷われている方は、双方の特徴をよく理解した上で、自分に本当に合った選択をすべきです。
国内と海外の両方のMBAを検討した私の考えをお伝えしていきますので、ご自身の決断の参考にしていただければと思います。
そもそも、MBAを取得するメリットは?
MBAとは、経営学の修士号です。
これを持っていると、「あっ、この人はビジネスについての基礎がしっかりと分かっているんだな」と理解されます。
例えば、法学部を卒業している人を見ると、「法律について詳しいんだな」と理解されるのと同じです。
MBAを取得することが、キャリアアップを目指すビジネスパーソンから注目を集めるのは、MBAを取得することでビジネススキルに対して “ある程度” の信用が得られるという点と、MBAを取得する過程でビジネスに関する知識と課題解決のための思考のトレーニングができるからです。
MBA取得のメリットについては、グロービス経営大学院のホームページにて解説されていますので、そちらを参照ください。
国内または海外でMBAを取得するには
それでは、本題である「どうやってMBAを取るか」に移りたいと思います。
方法は、下記の通りです。
- 海外MBA:海外のビジネススクール(大学院)のFull-Timeプログラムにて、MBAの修士号を取る
- 国内MBA:国内のビジネススクール(大学院)のFull-Timeプログラムにて、MBAの修士号を取る
- 週末MBA:国内(または海外)のビジネススクール(大学院)のPart-Timeプログラムにて、MBAの修士号を取る
- オンラインMBA:国内または海外のビジネススクール(大学院)のOnlineプログラムにて、MBAの修士号を取る
従来は、選択肢は1と2に限られていたのですが、最近は週末MBAやオンラインMBAを提供する学校も増えてきています。
国内でMBAを取得する場合は、①志望校へ願書を提出、②書類選考および面接による専攻、③合格発表、という手続きを踏みます。
海外の大学が提供するMBAプログラムを受ける場合は、授業がすべて英語にて行われるため、①語学学習(TOEFLやIELTSの受験)、②学力試験の受験(GMATやGREの受験)、 ③志望校へ願書を提出、④書類選考および面接による専攻、⑤合格発表、という流れになります。
在学期間は、学校によって様々ですが、1〜2年で学位が取得できる場合が多いです。週末MBAの場合は、”働きながら” MBAを取得する方が多いので、仕事の忙しさ具合に合わせて2〜3年で卒業するプランを立てる方もいます。
国内MBA・海外MBAをざっくり比較
Round①:学びの質
国内だろうと海外だろうと、MBAの学位を取得するために勉強する内容は同じです。
「国内の大学よりも、世界的権威のハーバード大学で勉強した方が、スゴいビジネスパーソンになれる」とお考えかもしれませんが、他の大学も、著名な教授が書いた教科書やケーススタディ(事例研究)を有名大学から購入し、それを教材に使っています。
勉強の仕方も、大学の講義室で教授の話を聞くもの(レクチャー形式)や、他の企業の事例を元に生徒同士でディスカッションしていくもの(ケーススタディ)、企業を見学したり実在する企業のコンサルティングを請け負う演習(ハンズオン形式)等、様々ですが、どれも国内MBAでも海外MBAでも体験できることです。
同じものを題材として提供する国内/海外MBAですが、学びの質に影響を与える大きな違いは、「どこで学ぶか」と「誰と学ぶか」です。
「どこで学ぶか?」
日本の大学のMBAは、生徒のほとんどが日本人です。取り扱われる題材も日本企業のものが多くなり、生徒からの発言も「日本人的考え」に偏ったものになります。
一方、海外のMBAでは、生徒の国籍構成は大学によってバラバラです。
例えば、アメリカの大学のMBAコースは、半数以上がアメリカ人。
授業で扱う題材も、自然とアメリカの企業に関するものになります。
ヨーロッパの大学では、アメリカの大学よりも更に国籍がバラバラで、欧州、アジア、アフリカ圏にまつわる幅広いトピックを取り扱います。
「同じ内容」を学ぶにしても、幅広い視野が得られるというのが、海外MBAの特徴でしょう。
「誰と学ぶか?」
先ほど、ハーバード大学を例に出しましたが、「同じ内容」を学ぶとしても、クラスメイトが誰で、どういう状況に置かれているかは、学びの質に影響すると思います。
例えば、入学のために必死で勉強し、やっとの思いで入学してきたクラスメイトの授業に対する積極性は、名前を書けば受かっちゃうような大学で会うクラスメイトのやる気とは比べ物にはならないでしょう。
また、週末MBAは、仕事をしながらビジネスを学ぶことができるため、「今日学んだことが、明日のビジネスにどう役立つか」を日々の業務で試すことができます。例えば、
「先週学んだ理論、仕事で使ってみたんですが、全然うまくいきませんでした。」のような発言が生徒から出るかどうかで、学びの質は一気に変わると思います。
週末MBAで有名なグロービス経営大学院については、「【国内最大級】グロービスMBAの受講をオススメする3つの理由」にて私の体験談をまとめています。
こちらもご参照ください。
Round②:費用
一言で、国内はリーズナブル。海外はべらぼうに高い。
国内MBAは、学費だけで計算すれば200万円〜400万円の自己投資で、学位を取得することができます。
一方海外MBAは、学費だけでも500万円〜2,000万円がかかります。
週末MBAや、企業派遣としての留学でない限りは、その間の給与収入は望めないと思いますので、
上記学費に生活費をプラスする必要があります。
海外に移住するだけでも、移動や引越し等に相当額が必要となるため、費用面で言えば国内MBAの方に軍配が上がるでしょう。
ただし、海外MBAであっても、奨学金等で資金調達する手段はありますので、学費高い=無理、と諦める必要はないかと思います。
Round③:語学(英語)
海外MBAは英語でビジネスを学びます。
それは、海外で生活し、英語で授業を受け、英語で発言し、英語で宿題をこなす、ということなので、大学入学時点で相当な語学学習を必要とされますし、それは卒業まで続きます。
結果、完ペキではないにしても、英語を使って生活し、英語で難なくコミュニケーションを取るくらいの力は身に付きます。
海外MBA取得という経歴が、「この人は英語でビジネスができるんだ」という証になっても、無理はないかと思います。
ということで、MBA取得という目的に、「英語を使えるようにしたい」という目的が重なる場合は、海外MBAの取得が良い選択肢になるのではないかと思います。
ただし、「海外で仕事ができるようになりたいから、海外MBAを目指す」は、遠回りになるのでご注意を。
海外で活躍することが目的なら、今すぐその世界に飛び込んで、働きながら英語力を鍛えた方が効率的です。
Round④:人脈
Round①の「誰と学ぶか?」の項でも触れましたが、国内MBAでは基本的に日本人がクラスメイトになり、海外MBAでは基本的に外国人がクラスメイトになります。
短くても1年間の間、共に学んだ仲間との人脈は貴重な財産となり、卒業してそれぞれの道へ進んだ後も、その人脈を生かしたビジネスや情報交換も可能です。
私も、MBAを通して実に様々な友達ができました。彼らとの交流を通した学びもこの関係はずっと大切にしたいと思っています。
こう聞くと、海外MBAの方が良さそうな気がします。
しかし、これにもデメリットがあると思います。
卒業した後に日本に戻って働く場合、仲良くなったクラスメイトと再会するのはいつでしょうか?
国内でMBAを取れば、クラスメイトとはまた頻繁に会えるでしょうが、海外MBAだとそれは難しい。
実際のところ、海外MBA卒業生で卒業後もクラスメイトとの関係を継続できている人は稀です。むしろ、同じ大学の卒業生同士で同窓会を作り、日本人同士のみの交流を続けている場合がほとんどです。
”人脈”については、海外MBAプログラムが取得のメリットとして強調している点だと思いますが、自分の思い描く”欲しい人脈”とマッチしているかどうかは、よくお考えください。
まとめ:MBAは国内?海外? ご自身に合った選択を
いかがでしょうか。
今回は、国内MBAおよび海外MBAを、①学びの質、②費用、③語学、④人脈の切り口で、ざっくり比較してみました。
皆様のキャリアアップのお役に立てれば幸いです。
今回記載したようなことを踏まえ、私が海外MBA留学に踏み切った経緯を、「社会人である私が留学を決意した理由|実際に留学してみて思うこと」にまとめてありますので、よろしければそちらもご覧になってください。
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