どうも。今回は、オンラインでMBAを取得しようとお考えの方々に向けて、リモートMBA授業の体験談をお伝えしようと思います。
そもそも私は、オンラインではなく一般の(対面式授業の)MBAコースに通っています。
しかし、米国における新型コロナウイルス蔓延の影響を受け、2020年3月より対面の授業がすべてリモート講義に切り替わりました。
かれこれ3ヶ月近く学校には行っていません。
対面での授業を期待して留学を始めた身としては、「オンラインの授業では、学びの質が落ちるのでは?」と心配していましたが、実際に体験してみると「オンラインコースも悪くないんじゃない?」と思い直すようになりました。
恐らく、「オンラインコース vs 対面の授業」の選択で迷われている方が多いと思いますので、『対面式』と『リモート』の両方を経験した私が、ポジショントーク無し(笑)のレビューを行いたいと思います。
オンラインMBA体験談
※前置き
私の通う大学は、以前よりクラスで受けるMBAコース(良い表現が見つからないので、ここでは対面MBAと表記します)と、オンラインMBAコースの双方を提供しています。
実は、当校のオンラインMBAコースは、対面式MBAよりも高い評価を得ています(大学ランキングで上位に位置しています)。
新型コロナウイルスの影響ですべての授業がオンラインに切り替わりましたが、当然のことながら、すでに高評価を得ているオンラインMBAコースのリソースを最大限に活用しています。
つまり私の体験談は、「リモートラーニングにおいて恵まれた環境にあった」例である可能性が高い、という点にご留意ください。
学校によっては、「オンラインに切り替わったせいで、まともに勉強できていない」という方がいらっしゃる可能性も十分にあります。
①学校に行かなくて良いのはスゴいラク
家から授業を受けることが、こんなにも楽だとは思いませんでした。
この点は、リモートワークに切り替わった会社員が感じたことと同様です。
私は、通学にDoor to Doorで30分ほどをかけていましたが、全てカットできました。
更に、授業によっては開講コマ数が少ない関係で、「月曜日は1限と4限だけある。クラスの間は4時間くらい空きがある」ようなことがありましたが、家から受講できればそのような無駄な時間も有効活用できます。
加えて、学びの環境をカスタマイズできることが非常に嬉しいです。
デュアルディスプレイを構えたり、スタンドデスクにしたり、(当たり前ですが)その辺は自由です。
②録画された授業を何回も視聴/余計な部分はスキップ
これは、対面式MBAには無い特典です。
基本的に、全ての授業が録画されてポータルサイトにアップロードされるため、好きなだけ授業の動画を見ることができます。
更に、録画された授業であれば、再生速度の変更(早口な先生は0.75倍速で再生等)や英語字幕の追加もできるので、英語力に心配な方も安心です。
また、一生懸命教えてくれている教授達には非常に申し訳無いのですが、対面の授業を受けていて「この話要らないな・・・」と感じる場面もあります。
- 前回の授業の内容の繰り返し
- 興味を引くための余談
- 教授のプライベートな話
これらを聞く価値があると感じるかどうかは、人それぞれです。
ただ、「要らないな」と感じた瞬間、スキップできるのは、私にとっては有難いことでした(笑)。
③グループディスカッションも問題無し
最近のビデオチャットツールには便利な機能があります。
それは、参加者を任意のグループに振り分けてディスカッションをさせるというものです。
例えば、30名の生徒が参加する授業であれば、教授が5名×6グループにランダムに割り振ってグループ単位のチャットルームを作ります。
生徒には、チャットルームへ入るためのリンクが送られてくるので、それをクリックしてルームに入ります。
ルームに入ると、割り当てられた5名だけで会話することができます。
教授は、各グループを回ってディスカッションに口を出すこともできます。
他にも、チーム制の宿題が出されることも多いですが、それもビデオチャットツール(ZoomやMicrosoft Teams)を使って行います。
要点に絞ってディスカッションし、効率良く成果物を仕上げていきます。
チームワークにおける学びの質としては、全く問題ありませんでしたね。
オンラインMBAでは得られないモノ
つまらない授業は、一層つまらなくなる
PCの画面を通して受ける授業は、臨場感が一気に無くなります。
そのため、(原因が教授にあるのか、内容にあるのかは別にして)対面で受けてつまらない授業は、オンラインだともっとつまらなくまります。
下手をすると、「これ90分の録画授業聞く意味あったのかよ?講義のスライドに目を通すだけで良かったじゃないか!」という事態に陥る可能性もあります。
すなわち、オンラインで授業を受ける場合、授業の質をよりシビアにチェックした方が良いということです。
(逆に、対面の授業は『学んだ気になっているだけだ』という、非生産的な一面を示しているとも言えますが・・・)
プレゼンの腕は上がらない
「英語で人前に立ってプレゼンする」という能力は、MBA取得を通して相当に鍛えられたという実感があります。
原稿を暗記するだけではなく、流暢な喋りやアドリブ力、効果的なボディランゲージも求められます。
そして何より、それらを大勢の聴衆の前でやってのけるという心理的プレッシャーが、プレゼン上達には必要かと思います。
オンラインMBAにおいても、数十人の聴衆に対してプレゼンを行う機会は多くあります。
しかし、本質的にはPCのカメラに向かって喋っているだけです。
原稿を暗記する必要もありません。
淀みなく喋ることも容易いです。
デスクトップ上に原稿を出しておけますので。
良く見れば「あっ、こいつ原稿読んでるな。」と勘付かれるかもしれませんが、ごく稀でしょう。
オンラインコースに変わったことで、プレゼンの難易度はかなり下がってしまったな、と感じています。
仲間との絆は生まれる…か?
前の項で、グループディスカッションやチームワークについて触れましたが、オンラインMBAだとそれらを除いたクラスメイト間の交流は皆無です。
生徒間の親睦を促すイベントは、オンラインであっても開催されていますが、リアルのそれと比較して同等のものになっているとは言い難いです。
MBAの学位をクラスメイトと一緒に取得することで生まれる親近感や絆のようなものは、MBA取得の大きな価値の一つであると思います。
大金叩いて時間を割いてまで学ぼうとする「”超”意識高い系」の集団に囲まれる環境は、なかなか見つけられないでしょう。
オンラインMBAにおいて、彼らとの関係性を「表面的以上なもの」にまで高めるためには、対面式MBA以上に積極的な介入と努力が必要かと思います。
最後に:オンラインで学ぶなら、学位(MBA)にこだわらなくても良い!?
という訳で、対面式とオンラインの両方を経験した私が思う、オンラインMBAのメリットとデメリットをご説明いたしました。
最後に、オンラインでMBAを学ぶにあたってのもう一つの選択肢をご紹介いたします。
それは、「MBAの授業を好きなやつだけ、つまみ食いする」というやり方です。
MBAの授業を受けていて、たびたび不満に思うことが、「履修したくないのに、履修しなければならない授業がある」です。
学位認定してもらうには、必修科目というものが必ず存在します。
例えば、MBA取ってるのに会計についてはまったく知識がない、だと困りますから。
ただ、「卒業のために取る授業」が存在するのは事実で、そういった科目を「我慢して」受講しています。
もしかすると、授業を受けている間に、「いや、俺はここで学び続けるよりも、今すぐ会社を起こしてビジネスを始めたい」と考えるようになるかもしれません。
そのような学位取得のデメリットを考えると、「好きなやつだけつまみ食いするのが一番じゃないか?」と思う訳です。
オンラインで受講するなら、大学の立地に制約は受けませんので、例えば「会計はスタンフォードで受けて、マーケティングはケンブリッジで受ける…」みたいなことを考えてみても良いんじゃないでしょうか?
もちろん、選択肢はクラス単位で授業を提供してくれる学校に限られていますが、MBAの授業にかかわらず、オンラインで学びの場を提供する教育機関やサービスは増えています。
MBAの学位そのものの価値にこだわらず、かつ「オンラインで学びたい」とお考えであれば、良い選択肢の一つになるのでは?と思います。
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