今回は、留学生活を通して感じる「チームワーク」について書かせていただきます。
テーマは、「リーダーのいないチームはうまく機能しない」です。
リーダーがいないチームが機能しない理由
学校でのチームワークの経験
MBAの履修過程において、数名の同級生とチームを組んで課題に取り組む機会が何度もありました。
ビジネスリーダーには、個人としてパフォーマンスを発揮できることは当然のこと、周囲と協力しながら大きな成果を上げることが求められることからして、MBAプログラムにチーム課題が多く組み込まれることは、自然な流れと言えます。
特に私の通うスクールでは、協調性やチームワークを重んじる学校文化が根強いことから、他校と比較してもその傾向は強いように感じます。
問題となるのは、チームの編成です。
会社での仕事やプロジェクトとは異なり、上司にあたる人間やチームのパフォーマンスに責任を持つ人間はいませんでした。
つまり、チーム員全員が平等な立場にあり、チームの成果は全員が責任を負うことになります。
責任を負うといっても、あくまで学校ですから、各人の成績に対して責任を負うという形です。
つまり、課題をサボれば、その分チームとしての成績は悪くなっていきます。
厳密に言えば、上級生がプロジェクトリーダーに就く授業を一度だけ経験したことがありますが、その場合もリーダーというよりはアドバイザーで、上級生は「いかにチームをサポートできたか」という目線で評価され、真の意味でチームの出来栄えに責任を持っていたわけではありませんでした。
チーム全員が成功を願っているとは限らない
学校教育におけるチームワークなので、「全員が、少しでも良い成績を取りたい=チームワークのパフォーマンスを上げたいと思っている」ことが前提となっているのでしょうが、私の経験上そのような性善説は通用しません。
各メンバーがチームワークに取り組む理由はそれぞれです。
A+を何としても取りたい生徒がいれば、赤点さえ取らなければ良いと思っている生徒もいます。
この課題を通してリーダーシップを磨きたいと意気込む生徒も、授業なんかよりも就職活動が何よりも大事と思う生徒もいる訳です。
このチーム課題に対するモチベーションの差異が、チームを成功から遠ざけます。
実質的なリーダーがバカを見る事態に
不思議なもので、どんなメンバーでチームを組んでも、「私が引っ張らないと」と何となくリーダー的ポジションに就くメンバーが1人は現れるものです。
それを他のメンバーも察知し、「うちのチームのリーダーと言えば、○○さんだよな」という暗黙知ができあがります。
メンバーの国籍に関係なく同様の現象を経験したことから、これは世界に共通して見られる事象かもしれません。
ただし、これで事態は解決しません。
実質的リーダーであっても、リーダーではありません。
彼にその明確な権限は与えられていません。
よって、実質的なリーダーが、手抜きメンバーを見て「もっと本気でやれよ」と指摘したとしても、その指示に強制力はありませんし、「は?リーダーでもないクセに偉そうに指示するな!」と逆ギレされかねません。
すでに述べたように、メンバー間のモチベーションが揃っていませんから、「手を抜いて程々に取り組む権利がある」ということのようです。
実質的にリーダー的役割を背負うのに、リーダーとしての権限は与えられない。
このように、リーダーを名乗り出ると損をする構造ができあがってしまいます。
さっさとリーダーを任命すべき
私の意見としては、実質的なリーダーが現れたら、さっさとリーダーに任命して好きにやらせるべきだと思います。
メンバー全員が対等な立場にある状況と比較して、1人のリーダーが存在する方が意思決定プロセスや判断が明確になるのみならず、メンバーが「何のために頑張るのか」を明確にすることができます。
気づかないうちに、リーダーのいないチームを組んでいませんか??
ここまでの意見を聞いて、「そんなの当然でしょ」と思われた方もいらっしゃるでしょう。
そう、私はこんな当たり前のことに改めて気づいた訳です。
でも、自分の身の回りに「気づかぬうちに」リーダーの居ないチームが組まれていることってありませんか?
私は、社会人生活の間に「誰が責任を負っているのかよく分からない共同作業」を何度も経験しましたね。。。
コメント