TOEFL iBT(R) テスト100点突破 おすすめ勉強法

留学のための英語

どうも。本日は、英語学習法シリーズ第二弾として、TOEFL iBT(R)テストの対策について、綴りたいと思います。

日本では、「英語の勉強といえばTOEICか英検」という印象が強いせいか、TOEICや英検と比較するとTOEFLに対する馴染みの薄い方も多いでしょう。

しかし、海外留学を志す方に取っては、TOEFLテストは避けて通れない道です。加えて、最近は国内の大学の入学試験等にも採用されるようになってきています。

私のその例に漏れず、約1年間に渡ってTOEFLテスト対策を行った経験があります。

今回は、私の経験に基づき、TOEFL iBTテストのおすすめ勉強法をご紹介したいと思います。

TOEFL iBT 試験の特徴と押さえるべきポイント

TOEFL iBTは、ETSと呼ばれる教育試験サービスの非営利民間財団が提供している英語言語運用能力をテストする試験です。

TOEIC L&Rテストとよく比較されますが、下記の違いは押さえておいてください。

  • TOEFLは「読む」「聞く」に加えて「話す」「書く」の技能もテストされる
  • TOEFLは120点満点。リーディング・リスニング・スピーキング・ライティングが各30点の配点
  • TOEICが「ビジネス英語」を取り扱うのに対し、TOEFLは「アカデミックな英語」を取り扱う

TOEFLにはTOEFL ITPと呼ばれる企業・学校等の団体向けテストがありますが、TOEFL iBTとは取り扱う科目も点数も異なりますので、ご注意を。

TOEFLではアカデミックな内容が題材となりますので、TOEIC受験経験がある方も、単語を覚えるところからやり直す必要があります。


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TOEFL iBT対策各論

目標点数別の勉強戦略

TOEFLは、何点超えを目指すのかによって勉強方法を変えた方が良いと思います。

一般的に目標点数として設定されるのは次の通りです。

80点:海外大学受験レベル
100点:海外大学院受験レベル
105点:海外難関大学院受験レベル

80点取得(つまり、得点率67%)であれば、テストの受験テクニックの習得が大切です。
しかし、100点以上を取りたい(つまり、得点率83点)となると、受験テクニックよりも本人の英語力の底上げのほうがよっぽど大切です。
例えばリーディングセクションで言えば、部分読みをして最短で答えを探す能力よりも、文章頭から読んで筆者の意図をつかんで引っ掛け問題に騙されない能力が必要とされるわけです。そのため、勉強をはじめる前にご自身の目標スコアをよく考えて設定してください。

80点突破を目指す場合

TOEFL対策を始めていただけると分かると思いますが、日本人にとっての鬼門はリスニングとスピーキングです。

この2つの点数を底上げしつつ、比較的得意とされるリーディングとライティングで点数を稼ぐのが王道パターンです。

点数獲得イメージはこのような感じですね。

■ 80点突破のスコアリングイメージ

リーディング リスニング スピーキング ライティング 合計
24 16 17 23 80

私の実例を共有しておくと、TOEIC L&Rテストのスコアが830点の時点で勉強を開始し、5ヶ月で80点を突破しました。

(TOEIC L&R テスト対策に関する記事はこちら

リーディング リスニング スピーキング ライティング 合計
26 17 17  23 83

勉強開始後1ヶ月で70点に到達できたので、「80点も余裕かな?」と楽観的に考えたのが甘かったです。
80点突破がTOEFL受験で感じた最初の壁でした。

②100点突破を目指す場合

100点突破を目指す上での、私のオススメの勉強法は、「100点突破の第一ステップとして、80点突破を目指さない」というものです。

これは(私もハマった)大きな落とし穴です。先述の通り、80点を目指すには、日本人が得意とされるリーディングとライティングで点数を稼ぐのが良いです。実際、勉強した効果が点数に反映されやすい科目のため、私もリーディングとライティングの勉強をガンガンやりました。その方が結果が目に見えて気持ちが良いからです。

しかし、TOEFL受験にあたって「スピーキングとライティングの問題に回答するには、結局リスニング力が必要」です。いくらスピーキングとライティングの能力を高めたとしても、どちらのセクションにおいても「問題を聞き取る」必要があり、その聞き取りが甘ければ高得点は望めません。
つまり、TOEFLはテストの半分以上が実はリスニングのテストであり、その攻略にはリスニング力の底上げが絶対条件なのです。

そのため、「リーディングとリスニングの点数が25点を超えるまでは、スピーキングとライティングには手を付けない」ことをオススメします。それくらいに基礎固めに集中すべきです。そこまで基礎を固めておけば、スピーキングとライティングの勉強開始後も、「リスニング力が足かせとなって点数が思うように伸びない」ということはないはずです。

100点を取るためには、4セクションで平均25点を取れば良いことになりますが、困ったことにスピーキングセクションには23点の壁があり、24点以上を獲得できる受験者はそうそう居ません(スピーキングの壁については後述します)。そうなると、その他3セクションで25点以上を獲得する必要が出てきます。

点数獲得イメージはこのような感じです。

■ 100点突破のスコアリングイメージ

リーディング リスニング スピーキング ライティング 合計
27 24 22  27 100

上記のように、スピーキング以外の3科目で25点以上を目指します。

私のケースでは、勉強開始後1年間は80点台で約半年間ウロウロし、13ヶ月目で初めて95点を突破しました。

リーディング リスニング スピーキング ライティング 合計
26 22 20 27 95

その後、最高得点の98点を叩き出して受験生活を終えました。残念ながら、100点突破ならずです。

最高得点を出したあたりの私の得点推移を示します。

回数 リーディング リスニング スピーキング ライティング 合計
27 22 21 21 91
26 25 21 26 98
27 26 19 23 95
28 24 20 25 97
28 20 21 24 93

スピーキングの点数が、目標とする22点をやや下回り、なおリスニングとライティングの点数が上下していることが分かります。
リスニングが改善した、と思えばライティングが落ち込む、のように、うまく高得点が揃わないスロットのような状況が見て取れるかと思います。

TOEFLにて出題されるトピックは毎回異なりますので、受験者にとっての問題の難易度は都度変わります。
私の例で言えば、馴染みのある科学系のトピックが出題された時には話の内容を予想しながら聞くことができ、英語が多少聞き取れなくても正答を選べたりしました。
逆に、馴染みのない文学に関する出題だと、何を言っているのか全くわからないこともありました。

先述の通り、スピーキングを除く3科目で満点近い点数を取らなければ100点突破は見込めないため、どれだけ多くの科目で25点以上の高得点をコンスタントに叩き出せるか(つまり、出題内容によらない英語力)がカギとなるわけです。

単語

TOEFL対策でまず最初に始めるべきは、単語対策です。全セクションにて取り扱われる単語の難易度がTOEICと比較して非常に高いため、単語対策がおろそかになると対策に苦戦します。

私が使用したこちらの単語帳には、Rank1〜4と語彙の難易度別に単語が収録されています。

【CD3枚付】TOEFLテスト英単語3800 4訂版 (TOEFL(R)大戦略)

全部で3800語あるので対策にかなり時間を要しますが、ひとまずはRank3までをマスターしてください。

ここでいう「マスターする」は、文章中に書かれた単語を見て、その意味がパッと分かるレベルの習熟度を指します。

Rank3までマスターしたら、対策時間に余裕がある場合または80点を超えて以降点数が伸び悩んだ場合にRank4に進んでください。

Rank4に収録の単語は出現頻度がかなり下がるので、それの学習の効率はかなり低いですが、特にリーディングセクションでの文章理解度&読解スピード向上につながります。

【MP3音声DLつき】TOEFL(R)テスト ボキャブラリー+例文3900 (留学対策シリーズ)

私は使用しませんでしたが、こちらの単語帳もおすすめです。目標とするスコア別に必要な単語が収録されており、「キャンパス・ボキャブラリー」といって、大学生活の中で使用される単語やイディオムが別途まとめられています。TOEFLにて取り扱われる題材は、アメリカの大学での講義やキャンパスライフの1シーンなので、キャンパス・ボキャブラリーについても別途習得する必要があります。

TOEFL対策を続けていると、練習問題や本番試験にて必ずキャンパス・ボキャブラリーに出会いますので、その都度暗記していくのもいいですが、単語帳を使ってまとめて覚えてしまった方が効率的かと思います。

文法

TOEFLでは、文法知識を直接的に問う問題はありません。TOEIC L&Rテストにて800点以上の得点が取れる状態であれば、文法に関して特段の学習は不要だと思います。

しかし、リーディング/リスニングセクションでの文章理解に苦しむ場合は、文法知識に弱点がないかどうか確認した方が良さそうです。

TOEFLテスト完全英文法

リーディングセクション

英文読解と文法の勉強ばかりしてきた日本人にとっては、一番点数の取りやすいセクションとなります。とは言っても、使用される単語の難易度および文章の長さはかなりのものなので、しっかりした対策が必要です。

*80点突破を目指す場合

公式問題集を解いて問題慣れしつつ、上述の単語対策をしていくというのがオススメです。

The Official Guide to the Toefl Test (英語) ペーパーバック

解法のテクニックが知りたい場合は、予備校を活用するのがオススメです。

私は、Agos JapanのReading対策コースを受講して解法習得&問題を解く量を増やしていきました。

東京渋谷にある学校ですが、オンラインコースも提供していますので、遠方の方でも大丈夫です。

Agos Japan

*100点突破を目指す場合

25点以上を獲得することが必須と上述しましたが、このレベルまで到達すると「ただひたすら問題を解いて慣れる」という勉強法が通用しなくなってきます。
(TOEFLは、似たような題材が繰り返し出題されるので、題材慣れして点数を上げたいというパワープレイも可能ですが、ここでは例外とします。)
ここでは主に、

  • 文章を一度で正確に読む(いわゆる戻り読みをしない)
  • パラグラフごとに著者の言いたいことを要約しながら読む

が重要になります。これらのテクニックは、上記のAgosにて指導いただき、非常に効果的でした。ご確認ください。
文章を読む練習には、Scientific Americanというサイトの活用がオススメです。TOEFLに度々出題される自然科学系のトピックが掲載されているため、読解練習に向いています。

リスニングセクション

TOEFLの最大の難関ですね。とにかく聞こえない。

*80点突破を目指す場合

  • 公式問題集を使って、音読・シャドーイング・ディクテーション・リピーティング等の各種トレーニングを繰り返す

勉強開始初期は「たくさんの問題集をこなす」よりも「1つの題材を極める」ことを優先してください。基礎固めです。
これまで聞き取れなかった単語や文章を、聞き取れるものに変えていく作業です。「完全に聞き取れる文章」を増やしていくことで、初めて聞く文章でもだんだん聞き取れるようになってきます。

各種トレーニング方法の効果には、個人差があります。様々なトレーニング方法を試してみて、「聞こえるようになっている」という実感が強い方法を続けてください。

*100点突破を目指す場合

80点突破用のトレーニングを行うことで、15〜20点くらいのスコアが取れるようになってきますが、そのあたりで伸び悩むはずです。
①苦手なトピックの問題で大量失点してしまう
②得意なトピックでも満点が取れない。
ここで初めて、量を増やしに掛かってください。つまり、

 新しい問題を解く → 不正解でなぜ間違えたのかをチェック → 文章を繰り返し聞き、聞き取れない箇所をチェックする 

  → 各種トレーニングを使いながら90%聞きとれるくらいまで仕上げる → 次の問題を解く

これにより、聞き取れる文章の幅を増やし、大量失点を防ぎます。この時、取り組む問題は「苦手なトピック」に限定しないでください。得意なトピックでは満点を取りたいです。そう言った意味で、得意なトピックについても演習を繰り返す意味は大きいです。

公式問題集だけでは量が足りないので、別の題材を探すことになります。Scientific American のポッドキャストも良いですが、TOEFL TPOというTOEFLの過去問集を使うのが一番です。何せスピーカーも題材もTOEFLで扱うものと同じですから、対策として最も適しています。
本サイトではご紹介しませんが、別途検索すれば情報が見つかりますので、ぜひ探してみてください。

TOEFLで扱われる題材に対する理解を深めるには、Brain Popというアメリカの教育用アプリがオススメです。自由にビデオを見たい場合は課金が必要ですが、TOEFLによく出る題材が広く扱われていて聞きやすいです。私も受験期には、お風呂の中や通勤途中に聞いていました。

スピーキングセクション

日常的に英語を話す機会の乏しい日本人にとっては、苦手意識の強いセクションのはずです。

スピーキングセクションは全部で4題出題され、各問題の回答に3段階(Good / Fair / Limited)の評価が付きます。すべての問題でFair(普通)を獲得した場合、点数は23点になり、それ以上の点数を取ろうとするといずれかの問題で “Good”を取る必要があります。その “Good”の評価を得ることが非常に難しいのです。私も、受験期を通して24点を獲得できたのは1回のみでした。

*80点突破を目指す場合

Part1から4にて構成されるスピーキングセクションですが、各Partごとに問題形式が決められています。まずはそれを踏まえてテンプレートを用意するのが近道です。

教材は、Agosの教材がオススメです。18点あたりの到達には、1〜2問で “Fair”が獲得できれば良いので、テクニックを習得する対策でOKかと思います。

*100点突破を目指す場合

TOEFL受験者に強くオススメしたいのは、E4TGというスピーキング特化型の小規模スクールです。TOEFL受験者、特にMBA/LLM留学を志す方の中では非常に有名で、東京の京橋にあります。残念ながらリモートでの受講はできないのですが、遠方から出張してでも受ける価値はあると思います。

スピーキングセクションで18点あたりが出せるようになっていれば、そこから22点あたりまで引っ張り上げてくれます。

ただし、リスニング力が十分でなければ、受講の効果が半減してしまうので、リスニング対策が済んでから申し込むようにしてください。

ライティングセクション

ライティングセクションには、スピーキングセクションよりも汎用的なテンプレートが存在するため、それを学ぶだけでも効果的な対策になります。大学等で頻繁に英文を書く経験をした方にとっては、さらに得意な分野となるでしょう。

*80点突破を目指す場合

まずは、下記参考書でテンプレートを覚えた上で、その活用方法を学んでください。

スコア80突破ゼミ TOEFL iBT(R)テスト アウトプット強化編

私の場合は、Agosのセミナーも受講して学習を進めました。

*100点突破を目指す場合

少なくとも25点、欲を言えば28点以上の点数が欲しいセクションです。そのためには、下記がポイントとなります。ここでも、リスニング力の底上げが終わっていることが前提となりますので、ご注意ください。

  • 文法ミスを減らす

減点方式で採点されるので、文法ミスを繰り返しているようでは高得点は望めません。ただ、自身でその間違いに気づいて修正していくのは難しいし時間もかかるので、添削サービスを利用することをオススメします。

TOEFL Resourcesを利用することをオススメします。料金も安く、丁寧に添削してくれます。

  • 論理構造を整える/リスニングパートで聞いた内容を正確に文章に含める

Independent Writingでは、主張をそれを支える理由と具体例の論理構造が重要です。演習を繰り返し、制限時間内に論理構造を組み立てられるようにしてください。

Integrated Writingでは、リーディングパートの主張に対してリスニングパートがどのように反論しているか、その対比構造を明確に記載する必要があります。加えて、リスニングパートの反論を支える理由付けを正確に聞き取り、それを文章に収める必要があります。

  • 分量を書く

Independent Writingでは、語数を稼ぐことで点数をあげることができます。400〜500 wordsは書きたいですね。そのためには、下記3点が重要になってきます。

①ある程度のタイピングスピード
②問題文を見てすぐに「主張-理由-具体例」の論理構造を構築する力
③幅広い文章表現

①には、練習による慣れ(場合によっては試験場によく設置されるキーボードを購入して自宅で練習)、
②に対しては問題演習の数をこなすこと、

③には、TOEFL Resourcesの演習でネイティブらしい文章表現を指導してもらう、が効果的です。

TOEFL受験は留学に役立つかどうか

TOEFL受験は想像以上に過酷なものでしたが、それを乗り越えただけあって、自身の英語力にはかなりの自信がつきました。これまで読めなかった英字新聞もスラスラ読めるようになりますし、英語の講義も聞き取れるようになります。もちろん、実際に海外に住み始めるとわかるのですが、TOEFL対策だけでは英語を使いこなせるようになったとは言えません。ネイティブスピーカー同士の話す日常会話はTOEFLの題材よりもずっと早くて独特の言い回しも含まれるため、なかなか聞き取れません。

しかし、乗り越えるにはツラい試練ですが、乗り越えるだけの価値があると思います。

皆様も、目標の実現を目指して、頑張ってください!

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