どうも。今回は、社会人が勉強すべき内容について書きたいと思います。
と言っても、「勉強する内容」というのは、
語学(英語、中国語)、ITスキル(プログラミング等)、ビジネス理論(会計、ファイナンス、マーケティング)、マネジメント、企業研究、アート…
のように無数に存在するため、ここで列挙してもキリがありません。
また、各人がすでに身に付けているスキル・知識や、取り巻く環境によっても勉強すべき内容は変わってきます。
海外で働くことを考えている人にとっては、日本語以外の言語習得が第一優先でしょうし、最近部下を持つようになったという人には、人材育成論や指導方法を勉強すると良いでしょう。
そこで本記事では、「会社に入って3年ほどが経過し、任されている業務には慣れてきた社会人」を想定し、彼にオススメできる勉強の方向性をご紹介したいと思います。
目的別:3年目の社会人が勉強すべき分野とは?
会社に入って3年が経過したということは、会社で働く上での基本的な技能や知識は身に付いていると思います。
その上で、会社で普通に働いているだけではなかなか身に付かない知識やスキルを得るために、自発的な勉強が必要となってきます。
方向性① 専門性を高める
すでに得意な分野に更なる磨きをかけていく、というアプローチです。
これは、すでにあなたの中に中長期的なキャリアプランが存在し、目指す方向性が明確な場合に有効です。
また、現職場にて明確な成果を残せていない or 現在任されている仕事にて周囲から満足のいく評価をまだ得られていない場合、それらを達成するための手段となります。
例えば、あなたが営業の仕事を任されているのだとしたら、営業という仕事に更なる磨きをかけるために勉強します。
まずは、営業職に求められる知識やスキルをリストアップしてみます。私には営業経験はありませんが、素人目線でザッとこのようなものでしょうか?
- 自社理解:売り込む商品の強みや自社の強みは何かが分かっている
- 顧客理解:売り込む顧客が置かれる状況、求めているものが何か理解している
- コミュニケーション力:顧客との信頼関係を築くための手順(ファーストコンタクト〜関係深化)を理解している
- 提案力:顧客のニーズに合わせて、時には他部署(商品開発部門等)を巻き込みながら、適した商品やサービスを提案することができる
リストアップが終わったら、リストの中から「まだ自分には足りないもの」を探し当てます。それこそがあなたの「勉強すべき分野」ですね。
方向性② ポータブルスキルを身に付ける
ポータブルスキルというのは、どの会社や職場においても求められる汎用性の高いスキルのことです。つまり、部署異動や転職を行っても、変わらず活用できる能力です。
明確な中長期的キャリアプランが無い方にオススメ、と言いたいところですが、変化の激しい時代の中で働くことを考えると、すべてのビジネスパーソンが鍛錬すべきスキルです。
ポータブルスキルには、大きく分けて「対人力」「対自分力」「対課題力」の3つがあります。
(ポータブルスキルに関する詳細な解説はこちら)
ポータブルスキル獲得における注意点として、「獲得できたかどうかが分かりづらい」というものがあります。
「対人力」「対自分力」「対課題力」の詳細な説明を下に記しましたが、どれもいわゆる”ソフトスキル”であり、習熟度を可視化することが難しいです。
例えば、英語学習であればTOEICテストを受ければ能力が点数として表れますし、それをそのまま習熟度チェックに使うことができます。
しかし、コミュニケーション能力となると、そうも行きませんよね?
そこで、ポータブルスキル習得に向けた学習についての私からのオススメは以下のステップです。
① これまでの人生における経験を棚卸し、「対人力」「対自分力」「対課題力」の中でどんなスキルを獲得してきたかを知る 【分析】
② これまでの仕事における経験と今後のなりたい自分を踏まえて、「対人力」「対自分力」「対課題力」の中でどんなスキルを獲得したいかを考える 【計画】
③ 獲得したいスキルを取り扱った書籍を読み、理屈を頭に入れる 【学習】
④ 獲得したいスキルを実際に使ってみる 【実践】
すべてのスキルを身に付けるというのは、相当な時間と労力を必要としますので、まずは「今、自分に必要な能力」を見定めましょう。
そして、能力を見定めた後は、「学習」と「実践」がセットで行える環境を整えましょう。
習熟度が見えづらいポータブルスキルには、「分かる」を「できる」に変える作業が不可欠です。
対人力
対人力とは、他の人とのコミュニケーションに関するスキルです。
一言にコミュニケーション力といっても、様々なスキルが存在します。一般的に、コミュニケーション能力が高いと言われる人は、以下のような特徴を持っています。
- 自分の意見をわかりやすく相手に伝えることができる
- 相手の話を注意深く聞き、相手から意見を引き出すことができる
- 相手の気持ちを察し、共感することができる
- 話を要約することができる
- 相手のやる気を高めることができる
対自分力
対自分力とは、セルフコントロール能力のことです。自分を律して仕事に取り組むことのできる能力は、仕事における成果に大きな影響を及ぼします。
対自分力をさらに細分化すると、以下の8つに分類されます。
- 決断力:決断を下す力
- 曖昧力:不確実な状況を受け入れた上で、物事を進めていく力
- 瞬発力:即座に行動に移す力
- 冒険力:リスクや失敗を恐れず、新しいことに挑戦できる力
- 忍耐力:苦しみや困難に耐え忍ぶ力
- 規律力:ルールにしたがって行動する力
- 持続力:継続して1つのことに取り組むことのできる力
- 慎重力:リスクを念頭に注意深く物事を進めていく力
対課題力
対課題力は、問題解決能力のことを指します。ビジネスにおける問題に正解は存在しません。日々直面する課題に対し、自分の頭で考えて自分なりの答えを出さなければなりません。
課題解決能力の高い人は、主に以下のような特徴があります。
- 問題の本質を捉えることのできる分析力がある
- 問題を解決するための方法を練る計画力と発想力がある
- 計画通りに進める推進力と、不測の事態が発生した際に柔軟に計画を変更する応用力がある
- 失敗の原因を理解し、次の計画に生かすことができる
方向性③ 第二、第三の専門分野を持つ
現在の職場で獲得したスキルを第一の能力の柱として、第二・第三の柱を育てていくという考え方です。
この方向性には主に、①能力の柱を増やして、業務の守備範囲を広げる、②第一の柱が役に立たなくなった時のリスク分散の意味合いがあります。
①能力の柱を増やして、業務の守備範囲を広げる
専門領域が増えることで、受けられる仕事が増えることは容易に想像できると思います。
さらに、第一・第二の専門分野の双方を活用して、新しい業務に就くこともできます。
例えば、とある機械メーカーに入社してエンジンの技術開発職に就いた方が、コミュニケーション能力や交渉術を学べば、営業部門へも異動希望を出せるようになりますし、技術開発と営業の両方を生かして、技術営業(エンジンに関する専門的な知識を生かした営業)もできるようになります。
このように、新しい専門分野を持つことは、足し算ではなく掛け算として価値を生むことが多いです。
②第一の柱が役に立たなくなった時のリスク分散
持っている専門分野が1つだけだと、その業種が衰退した時に立ち行かなくなってしまいますが、複数の専門分野を持つことでそのリスクを下げることができます。
先ほどの機械メーカーが、時代の急激な変化に伴ってエンジンの製造を止めてしまった場合、エンジン設計のスペシャリストであればあるほど、社内での立場は危うくなりますが、営業という第二の柱を育てておけば、営業パーソンとしての生き残りの道を選ぶこともできます。
新しい能力の柱をどのように選ぶか?
以下の基準で選択すれば良いでしょう。
・新しい能力と、今持っている能力を掛け合わせた市場は存在するか?
市場が存在しない場合、上記①の恩恵を受けられません。
ただし、その市場は大きくある必要は必ずしもありません。市場が大きいということは、あなたの将来的なライバルも多いということになります。
例えば、マーケティングの経験がある人がファイナンスの勉強を始めたとすると、マーケティング×ファイナンスの人材はたくさん居ますので市場は大きいがライバルも多い。しかし、研究者がファイナンスの勉強を始めたとすると、研究も出来てお金の知識もある方はそうそう居ないでしょうから、ニッチな市場での人材価値が高まる、という訳です。
・新しい能力は、自力で身に付けられるか?
当たり前の話ですが、業務時間外の時間を投資して能力開発を行っていくため、自力で勉強する手段を探す必要があります。
ただ、このご時世、ネットや動画、セミナー等を活用して、様々な勉強を格安で簡単に行うことができるようになっています。
場所や時間の制約もかなり解消されました。
まとめ:悩むのも大事だが、とにかくまず始めてみよう!
いかがでしょうか。
今回は、目的別に3年目の社会人が勉強すべき分野とは?というテーマで書かせていただきました。
将来が見通せない中で、「これを勉強しよう!」と決めて行動に移すのは大変だと思いますが、途中でも触れた通り、現在は勉強のための教材は至る所に転がっていて、しかも多くの場合は、それをタダで入手することができます。
目的に合わせて勉強すべき分野を見定める方法をお伝えしてきましたが、とにかくまず行動してみるのも大事です。
実際に勉強してみて初めて見えてくるものもありますから。
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