【MBA】なぜビジネスリーダーにデータサイエンスが必要とされるのか?

テクノロジー

近年、データサイエンスを学習領域に加えるビジネススクールが増えてきました。

データサイエンスとは、科学的手法、プロセス、アルゴリズム等を使って、様々なデータから洞察や知見を得ようとする学問です。

「データは、21世紀の石油だ」と言われるようになって久しいですが、データを収集し、解釈し、そしてビジネスに活用することが、現代のビジネスにおける勝利の方程式と考えられるようになっています。

ビジネススクールもそこに目を付け、データサイエンスを取り扱うコンテンツを揃えてきています。

少し驚かれるかもしれませんが、MBA生がPythonやSQLのコーディングを学習しています。

エンジニアならともかく、ビジネスリーダーがそこまでデータサイエンスに精通しておくべき理由とは何でしょうか?

本記事では、その答えに言及していきたいと思います。

なぜビジネスリーダーにデータサイエンスが必要とされるのか?

その答えは、ビジネス戦略にデータサイエンスが深く関わるようになってきたからです。

インターネットの普及や、コンピューターやサーバーの性能向上、その他さまざまな要因により、データと関連付けてビジネスを行うことが廉価で容易になってきています。

顧客と対面しなくても、商品を売れる時代。

デジタルコンテンツそのものが商品として売れる時代。

更には、ありとあらゆるデータを収集して分析することで、ビジネスが上手くいっているかどうか、どうすればもっと良くなるのかについて、定量的な見解を得られる時代です。

長年の経験から来る勘に頼った意思決定より、データに基づいた客観的判断の方がより強力であることは、言うまでもないでしょう。

以上のような背景から、データを活用としたビジネスはトレンドに、いやもはや常識になりつつあります。

今の経営者に「ビッグデータ」や「ディープラーニング」等のテック系用語を知らない人はいないでしょう。

経営者に、データを見る眼はありますか?

しかし一方で、それらの用語の意味するところをすべての経営者が理解しているかどうかと言われると、それは懐疑的です。

AIというコトバをまるで”不可能を可能にする魔法の言葉”のように使っている方も多いのではないでしょうか。

(とりあえず)デジタルトランスフォーメーションの深化と、AIの最大活用と謳っておき、運用は現場に任せているような、中身のない経営計画を立てる企業は、めずらしくありません。

更に、データを有効に活用するためには、データを見る眼が必要です。

確かにデータは客観的な事実を語ってくれます。

ただ、データを解釈するのは人間側です。

顧客層を3グループにクラスタリングしたモデルを基に、グループAをターゲットにした広告プランを提案されたとして、「なるほど、それならAグループに目掛けて広告を打とう」とそのまま受け取るのか、「ん?3つのグループに分けた根拠は何だ?k値を変えてみたら、グループ分けは変わってくるんじゃないか?」と突っ込みを入れて考えられるのとでは、データから得られる示唆は変わってきます。

データサイエンスは、もはや経営者の必修科目

例えば、ファイナンスの知識は経営やマネジメントに必須ですよね。

「お金のことは何もわからんので、財務部長に一任しています」なんて社長がいたら、間違いなく経営者失格の烙印を押されてしまうでしょう。

ここにデータサイエンスが加わったと考えてください。

今や、ビジネスマネジメントの一部となったデータサイエンス。

これから組織の上に立とうとしている方であれば、「データに詳しい部下が言うのだから、そうなのだろう」と他人任せに意思決定するのではなく、サイエンティストが作成した解析結果やモデリングが理解できて、それらを基に経営計画を修正できるくらいにはなっておきたいものです。

データサイエンスを知るのに、ソフトウェアを一回も触ったことが無いのでは、なかなかに無理がある。

という訳で、MBAのカリキュラムでは、データサイエンスを取り扱う授業が増えています。

MBAで学ぶデータ分析

どの程度深くデータ分析を学ぶかは、悩ましいところです。

MBAでは、あくまでも「エンジニアと対等にデータ分析について話し合える」くらいの広範で一般的な知識や実践経験を積ませるように、プログラムを組んでいる学校が多いように感じます。

例:

Excel Power Query / Power Pivotを使用してデータセットのクリーニング・可視化を行う。

Excel VBAの基本的なコーディングを学ぶ。

Tableauの使い方を学んで、意思決定に役立つようなダッシュボードを作成する。

SQLの基本的なコーディングを学んで、データセットから好きなデータを引き出せるようになる。

Pythonの基本的なコーディングを学んで、回帰分析やクラスタリングを行う。

データ分析は取り扱う範囲も広く、深掘りし始めたらキリがありませんので、MBAスキルとデータスキルの習得バランスは、目指すキャリアパスによって調整します。

データサイエンティストやデータアナリストを目指す場合は、データスキルを集中的に学ぶ必要があり、ビジネストランスレーター(データ分析の現場とビジネスの現場の橋渡し役)を目指すのであれば、双方を関連付けながらバランス良く学習すべきべしょう。

まとめ:需要の高まるデータサイエンス人材

上に述べた通り、データドリブン経営の広がりに伴ってデータサイエンスも出来るビジネスリーダーの需要は高まっています。

今後のキャリアを考える上で、データ分析の分野は検討の価値が十分にある選択肢だと思います。

 

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